技能実習から特定技能への移行制度と必要条件

技能実習制度から特定技能制度への移行の流れや必要条件をまとめたガイド記事。外国人労働者と企業担当者が理解しておくべきポイントを詳しく解説。 外国人に関する記事一覧
「技能実習から特定技能への移行制度と必要条件をわかりやすく解説。外国人労働者と受入企業が知っておくべき最新情報をまとめたガイド」

技能実習から特定技能への移行制度と必要条件

技能実習から特定技能への移行は、多くの外国人労働者にとって日本でのキャリアを広げる重要なステップです。この記事では、制度の仕組みや必要条件をわかりやすく解説します。

目次

技能実習から特定技能への移行とは?

技能実習制度は本来、途上国への技能移転を目的としていますが、日本の人手不足を背景に、特定技能制度が新設されました。技能実習を修了した外国人が特定技能へ移行することで、より長期的に日本で就労できる道が開かれています。

技能実習制度と特定技能制度の違い

日本における外国人労働者の受け入れ制度は大きく「技能実習制度」と「特定技能制度」に分けられます。この2つは混同されがちですが、その目的や対象分野、滞在可能期間は大きく異なります。ここでは、両制度の根本的な違いを整理し、外国人労働者や企業担当者が理解すべき重要ポイントを詳しく解説します。

技能実習制度の概要

技能実習制度は1993年に創設され、日本の先進的な技能・技術・知識を開発途上地域へ移転することを目的としています。対象者は、発展途上国の若者を中心に日本へ受け入れ、一定期間にわたり技能を習得させ、その後自国の発展に役立ててもらうことが狙いです。したがって、制度の理念は「国際貢献」であり、日本国内の人手不足を直接解決するための仕組みではありません。

  • 在留資格名:「技能実習」
  • 在留期間:最長5年(1号・2号・3号の段階制)
  • 目的:技能移転による国際貢献
  • 対象職種:農業、建設、食品製造、介護など80職種150作業
  • 特徴:実習計画に基づき、監理団体の管理下で就労

特定技能制度の概要

一方、特定技能制度は2019年に新設された比較的新しい仕組みです。深刻な人手不足が続く14分野で外国人労働者を直接受け入れることを目的としており、技能実習よりも就労に重点を置いています。ここで重要なのは、制度の理念が「日本の産業を支える即戦力の確保」である点です。

  • 在留資格名:「特定技能1号」「特定技能2号」
  • 在留期間:1号は通算最長5年、2号は更新可能で実質無期限
  • 目的:日本国内の人手不足分野の労働力確保
  • 対象分野:介護、外食、建設、農業、飲食料品製造、宿泊、造船・舶用工業、航空など
  • 特徴:労働者としてフルタイム就労が可能

技能実習と特定技能の比較表

項目 技能実習 特定技能
目的 国際貢献(技能移転) 人手不足分野の労働力確保
在留期間 最長5年 1号は最長5年、2号は無期限
対象分野 農業・建設・食品製造など 14分野(介護・外食・宿泊など)
雇用形態 監理団体の管理下での実習 企業と直接雇用契約
日本語要件 必須ではない N4以上またはJFT-Basic合格

ポイント: 技能実習は「学び」が中心、特定技能は「労働」が中心。したがって、特定技能は企業にとって即戦力を確保できる制度であり、技能実習の次のステップとして位置づけられています。

移行の流れと必要条件

技能実習から特定技能への移行は、外国人労働者にとって日本でのキャリアをさらに広げる重要なステップです。しかし、実際の移行には多くの条件や手続きが存在し、それらを正しく理解しないと申請が却下されるリスクもあります。ここでは、移行の具体的な流れと必要条件を詳細に解説します。

移行の基本的な流れ

  • ① 技能実習2号を良好に修了する
  • ② 移行希望分野の特定技能評価試験に合格する
  • ③ 日本語試験(JLPT N4以上またはJFT-Basic)に合格する
  • ④ 受入企業と新たに直接雇用契約を結ぶ
  • ⑤ 出入国在留管理庁にて「在留資格変更許可申請」を行う
  • ⑥ 入管審査を経て「特定技能1号」の在留資格を取得

重要: 技能実習2号を良好に修了している場合、同一職種であれば技能試験と日本語試験が免除される特例があります。この点を正しく理解することが、スムーズな移行のカギとなります。

必要条件の詳細

技能実習から特定技能への移行には、以下の3つの条件が特に重要です。

① 技能実習2号の良好な修了

技能実習2号の修了は、特定技能移行の最初の必須条件です。「良好な修了」とは、定められた実習計画を完了し、重大な違反や逃亡などがなかったことを意味します。監理団体からの証明書や実習評価の記録が必要です。

② 技能試験の合格

移行を希望する分野ごとに「特定技能評価試験」が実施されており、合格が求められます。ただし、技能実習で同一職種の2号を修了している場合は免除されるケースがあります。以下は代表的な試験例です。

  • 介護分野:介護技能評価試験
  • 外食分野:外食業技能測定試験
  • 飲食料品製造分野:飲食料品製造業技能測定試験

③ 日本語能力の証明

原則として「日本語能力試験(JLPT N4以上)」または「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」への合格が必要です。ただし、技能実習2号を良好に修了していれば、日本語試験が免除されるケースもあります。

在留資格変更申請の手続き

技能実習から特定技能への移行にあたり、必ず「在留資格変更許可申請」を入管に提出する必要があります。必要書類は以下の通りです。

  • 在留資格変更許可申請書
  • 雇用契約書の写し
  • 受入企業の概要書類(登記簿謄本・決算書など)
  • 技能実習修了証明書
  • 技能試験・日本語試験合格証明書(免除対象者は不要)
  • 住民票や在留カード写し

審査期間は通常1〜3か月程度であり、受入企業の適格性や労働条件の適正さも確認されます。したがって、企業側の準備不足によって不許可となるケースもあるため注意が必要です。

CK株式会社のサポート

外国人専門の人材紹介会社であるCK株式会社では、技能実習から特定技能への移行を目指す労働者と企業をつなぐマッチングを行っています。当社は「紹介」のみを専門としており、派遣や請負は一切行いません。制度理解に不安がある企業担当者は、正確な情報提供と適切な人材紹介を行うCK株式会社を活用することで、移行をスムーズに進められます。

移行のメリットとデメリット

技能実習から特定技能へ移行することには、多くのメリットがありますが、一方でデメリットやリスクも存在します。ここでは、労働者と企業それぞれの視点から移行のメリット・デメリットを掘り下げて解説します。

労働者にとってのメリット

  • 長期就労が可能: 特定技能1号で最長5年、特定技能2号であれば無期限の在留が可能。
  • 職業の安定: 技能実習と異なり「労働者」としての立場で雇用契約を結べるため、待遇が安定。
  • 収入の向上: 実習生よりも高い給与水準が期待できる。
  • キャリア形成: 日本での長期就労経験が、帰国後のキャリアにも大きく役立つ。

労働者にとってのデメリット

  • 対象分野が限定: 移行できるのは特定技能14分野のみで、希望職種が対象外であれば移行不可。
  • 在留資格更新の負担: 特定技能1号は通算5年までしか在留できないため、将来の見通しが不安定。
  • 日本語能力の壁: 日本語試験や職場でのコミュニケーションに苦労するケースが多い。
  • 家族帯同が不可: 特定技能1号では原則、配偶者や子供を呼び寄せられない。

企業にとってのメリット

  • 即戦力人材の確保: 技能実習修了者は既に実務経験を積んでおり、特定技能で即戦力として活躍可能。
  • 離職リスクの軽減: 長期雇用が可能となるため、採用コストを抑えられる。
  • 制度の安定性: 技能実習制度よりも「労働者」として明確に位置づけられているため、労務管理がしやすい。
  • 多文化共生の推進: 外国人材が職場に定着することで、多様性が企業の競争力向上につながる。

企業にとってのデメリット

  • 受け入れ分野の制限: 特定技能は14分野限定のため、他分野では活用できない。
  • 在留資格更新の不確実性: 制度改正や政策変更により、将来の在留資格要件が変わる可能性がある。
  • 管理コスト: 雇用契約、入管申請、生活支援などに企業側の負担が増える。
  • 語学・文化ギャップ: 日本語力不足や文化の違いによる職場トラブルが生じやすい。

メリット・デメリットの比較表

視点 メリット デメリット
労働者 長期就労・収入向上・キャリア形成 対象分野制限・家族帯同不可
企業 即戦力確保・長期雇用の安定 制度制限・管理コスト増

ポイント: 移行のメリットは非常に大きい一方で、制度の制限や将来不確実性というデメリットも存在します。労働者と企業の双方が制度理解を深めることが重要です。

CK株式会社の視点

外国人材を専門に紹介しているCK株式会社では、制度の複雑さを正しく理解したうえで最適な人材を紹介しています。当社は派遣や請負は行わず、直接雇用を前提とした紹介のみを行うため、企業は安心して即戦力人材を採用できます。制度のメリットを最大限に活かし、デメリットを最小化するための適切なマッチングが可能です。

移行手続きの注意点とまとめ

技能実習から特定技能への移行を検討する際には、手続きの細部や制度の理解不足が大きなトラブルにつながる可能性があります。ここでは、移行手続きにおける注意点を整理し、最後に記事全体のまとめを行います。

移行手続きでの主な注意点

  • 書類不備のリスク: 在留資格変更許可申請に必要な書類が欠けていると、不許可や審査遅延の原因となる。
  • 企業の適格性: 受け入れ企業が入管の審査基準を満たさない場合、移行は認められない。
  • 在留期限の管理: 現在の在留期間を超えてしまうと不法滞在扱いになるため、余裕をもって申請する必要がある。
  • 制度改正への対応: 特定技能制度は比較的新しいため、法改正や要件変更が生じやすい。最新情報の確認が不可欠。
  • 支援体制の確保: 特定技能1号では、企業に外国人労働者への生活支援が義務付けられている。

注意: 技能実習から特定技能への移行は「単なる延長」ではなく、制度の切り替えであるため、要件や手続きが異なることを理解しておく必要があります。

よくあるトラブル事例

  • 技能実習修了証明書を紛失して申請ができなかった
  • 受け入れ企業が労働条件通知書を正しく作成していなかった
  • 日本語試験の免除条件を誤解していた
  • 在留期限間際の申請で不許可になり帰国を余儀なくされた

CK株式会社の役割

CK株式会社は、外国人労働者専門の「紹介会社」として、技能実習から特定技能への移行を希望する外国人と、適正な受け入れ体制を持つ企業をつなげています。当社は派遣や請負は一切行わず、正規の雇用契約を前提とした人材紹介のみを提供しています。そのため、安心して制度移行を進められるのが強みです。

また、制度の最新情報を常にキャッチアップしているため、入管法や特定技能制度の改正にも迅速に対応可能です。外国人材採用に不安を感じている企業は、CK株式会社の専門サポートを活用することでリスクを最小化できます。

まとめ

技能実習から特定技能への移行は、労働者にとっては日本での長期的なキャリアを開く大きなチャンスであり、企業にとっては即戦力人材を確保する有効な手段です。しかし、その一方で手続きや要件が複雑で、誤解や準備不足からトラブルに発展するケースも少なくありません。

お問い合わせ

技能実習から特定技能への移行に関するご相談は、外国人専門の人材紹介会社CK株式会社までお気軽にお問い合わせください。

CK株式会社に問い合わせる

PAGE TOP