外国人を正社員で雇う前に知るべき!技術・人文知識・国際業務ビザの完全ガイド

外国人の正社員雇用に必要な技術・人文知識・国際業務ビザの概要を解説する図 外国人に関する記事一覧
外国人を正社員として雇うために必要な技人国ビザの取得条件と企業側の準備

外国人を正社員で雇う前に知るべき!技術・人文知識・国際業務ビザの完全ガイド

外国人を正社員として採用する際に必須となる「技術・人文知識・国際業務」ビザ。この記事では、この就労ビザに関する基本情報から申請条件、企業側が注意すべき実務のポイントまでを詳しく解説します。人事・総務担当者必見の内容です。

✅ 目次

技術・人文知識・国際業務ビザとは?

「技術・人文知識・国際業務」ビザ(通称:技人国ビザ)は、日本の企業が外国人を正社員として雇用する際に一般的に利用される在留資格です。このビザは、高度な知識や専門性を持つ外国人が日本の会社で働くことを可能にするものです。

例えば、以下のような職種が対象になります:

  • ITエンジニアやシステム開発者(=技術)
  • 経理、マーケティング、企画職(=人文知識)
  • 通訳、翻訳、貿易・海外営業(=国際業務)

なお、単純労働(例:清掃、工場作業員、飲食のホールスタッフなど)はこのビザでは認められていません。職種内容が明確であり、かつ学歴や職務経験と合致していることが重要です。

POINT:技人国ビザは、学歴や職務内容との整合性が求められる高度人材向けの在留資格です。

ビザ取得の要件と企業側の責任

外国人を「技術・人文知識・国際業務」ビザで雇用するには、入管法に基づいた要件を満たす必要があります。このセクションでは、外国人本人側の条件と雇用主(企業)側の責任を明確にし、どのような準備が必要かを解説します。

外国人本人が満たすべき条件

技人国ビザの取得には、主に以下のいずれかの学歴や職歴要件が必要です:

  • 大学(短期大学含む)卒業以上で、職務内容と関連する専攻分野を修了していること
  • 10年以上の実務経験(例外的に外国語教師の場合は3年以上)

例えば、情報工学を学んだ外国人がシステム開発の職に就く場合は、ビザ申請が通りやすい一方、無関係な専攻(例:芸術学)でIT業務を希望する場合は却下される可能性が高まります。

企業側の責任と要件

企業側は、単に内定を出すだけではなく、以下のような複数の責任を果たす必要があります。

  • 契約内容が適正かつ明示されていること(労働条件通知書の作成)
  • 仕事内容が「技術・人文知識・国際業務」ビザに適合していること
  • 事業が継続的かつ安定的に行われており、給与支払い能力があること

入管は、「会社の実態」「業務内容の適正性」「継続性」「雇用の安定性」「報酬が日本人と同等か以上であるか」を厳しく審査します。特に創業間もない企業や赤字決算の企業では、補足書類や説明責任が増す傾向にあります。

注意:雇用契約が不明確であったり、業務内容がビザの範囲外と判断された場合、不許可の可能性が高くなります。

報酬の水準と日本人との比較

技人国ビザでは、外国人に対する報酬が「日本人と同等以上」であることが求められます。これは差別的な条件での雇用を防ぐためであり、最低賃金を上回るだけでは不十分な場合もあります。

地域 平均的な初任給(月額) ビザ申請時の望ましい報酬
東京23区 22万〜25万円 23万円以上
地方都市(名古屋、大阪など) 20万〜23万円 21万円以上

企業は報酬に加えて、社会保険の加入義務、雇用契約書の整備、日本語での業務指導体制など、受入れ体制を整える必要があります。

入管から見た「信用できる会社」とは?

入管は外国人本人だけでなく、雇用する企業の信用性を審査します。以下のような会社は「信用が高い」と評価されます:

  • 過去に不法就労者や在留資格違反者を雇っていない
  • 社会保険・労働保険の適正な加入がなされている
  • 会社所在地・連絡先が明確で、事業実態がある
  • 経営状況が安定しており、黒字決算またはそれに準ずる状態

逆に、以下のような点がある場合は審査が厳しくなり、不許可のリスクもあります:

  • 開業直後で実績が乏しい
  • 業務内容が曖昧で、どの在留資格に該当するか不明
  • 雇用契約の文書化が不十分

重要:入管は「会社を信頼できるか」を非常に重視しており、初回のビザ取得時は特に厳しくチェックされます。

雇用前に行うべき準備とは

外国人を技人国ビザで採用する際、企業が事前に行うべき準備は多岐にわたります。準備不足のまま採用を進めると、ビザ申請が不許可となるだけでなく、企業の信用にも関わります。このセクションでは、外国人雇用前に必要な書類、社内体制、教育プランなど、具体的に何をどの順番で準備すべきかを徹底的に解説します。

① 採用ポジションの明確化と職務定義

まず最初にすべきは、「どのポジションに外国人を採用するのか」「どのような業務を担当させるのか」を明文化することです。技人国ビザでは、担当業務が明確であることが必須条件です。

例として、以下のように具体的な職務定義が求められます:

  • 「ベトナム市場向けに自社製品の海外営業および現地企業との折衝」
  • 「社内システムの開発、改修、保守業務(主な使用言語:Java、PHP)」
  • 「英語による契約書類の翻訳と、英語圏取引先との調整業務」

ポイント:「営業」や「事務」などの抽象的な表現は避け、できるだけ具体的に業務内容を記述しましょう。

② 必要書類の整備とスケジュール管理

次に必要なのは、ビザ申請に必要な書類の準備です。企業が用意すべき主な書類は以下の通りです:

  • 雇用契約書(日本語)
  • 会社案内(パンフレットやウェブサイト資料)
  • 決算報告書または法人税確定申告書(直近のもの)
  • 登記事項証明書、定款の写し
  • 職務内容詳細説明書
  • 会社の組織図、配属部署の業務内容説明

これらの資料はすべて、日本語で明瞭に作成する必要があります。特に、業務内容や給与の適正さを示す資料は審査の大きな判断材料となるため、入管視点を意識して整備しましょう。

③ 社内体制の確認と整備

外国人を受け入れる際には、企業としての受入体制も問われます。入管は、外国人が安定して就労できる環境があるかを重要視しています。具体的には以下の体制が必要です:

  • 社会保険(厚生年金・健康保険)への加入体制
  • 労働時間・休日・有給休暇等の就業規則の整備
  • 外国人の相談窓口や教育・フォロー体制の明示
  • 職場内における言語の配慮(通訳が必要な場合の体制など)

特に、日本語能力が高くない外国人を採用する場合、通訳者の配置や日本語指導の制度があると好印象です。

④ 採用理由書・職務説明書の作成

外国人を採用する「理由」を入管に説明するための「採用理由書」も極めて重要です。主な内容は以下です:

  • 当該外国人の経歴・スキルと業務の関連性
  • なぜ日本人ではなく、その外国人を採用するのか
  • 採用に至った経緯(選考方法、面接結果など)

採用理由書とあわせて、職務説明書も丁寧に作成しましょう。これは、職種が「技人国」の範囲内であることを立証する資料となります。

⑤ CK株式会社のような専門紹介会社の活用

ビザ要件や書類作成に不安がある企業は、外国人専門の紹介会社「CK株式会社」のようなプロフェッショナルを活用することで、申請リスクを大幅に軽減できます。

  • 技人国ビザに特化した採用ルートの提供
  • 企業・外国人双方に適切な情報提供
  • 紹介後のフォロー体制も万全(派遣・請負は行わない)

POINT:CK株式会社のような「外国人紹介専門」の会社を使えば、職務適合性のある人材を効率よく採用できます。

ビザ申請の手続きと書類一覧

外国人を技人国ビザで雇用するには、正式な手続きを経て出入国在留管理庁に申請する必要があります。本セクションでは、「在留資格認定証明書交付申請」および「変更申請」の2つの主なルートに分けて、ビザ取得の流れと必要な書類を解説します。

① 在留資格認定証明書交付申請(COE申請)

外国人が海外にいる段階で、日本の企業がその者を雇用し、来日させたい場合に使われるのが「在留資格認定証明書交付申請(COE)」です。認定証明書は、ビザ取得の前提条件として必要な書類です。

■ COE申請の流れ
  1. 雇用契約締結
  2. 企業が入管にCOEを申請(代理申請)
  3. 入管が審査し、交付
  4. 外国人がCOEを持って大使館・領事館でビザ取得
  5. 来日・入国・在留カードの取得

標準処理期間は約1〜2ヶ月。繁忙期(4月・10月前後)は3ヶ月以上かかることもあります。

■ COE申請に必要な書類
提出者 必要書類
企業 ・登記事項証明書
・決算書類(直近)
・雇用契約書
・職務内容説明書
・会社案内、組織図
外国人本人 ・履歴書
・卒業証明書(翻訳添付)
・成績証明書(必要に応じて)
・パスポートのコピー

注意:すべての書類は最新かつ整合性がとれていることが必要です。虚偽の記載があると申請は即却下されます。

② 在留資格変更申請(国内在住の外国人)

日本にすでに留学や家族滞在などのビザで滞在している外国人を、就労ビザ(技人国)に切り替える場合には、「在留資格変更許可申請」を行います。

■ 変更申請の流れ
  1. 内定→雇用契約書を締結
  2. 企業と外国人が連携して申請書類を準備
  3. 出入国在留管理庁に提出
  4. 審査後、許可が出れば新しい在留カードを発行

審査期間は平均2ヶ月程度。留学ビザの残存期間が短い場合は早めの申請が必要です。

■ 変更申請に必要な書類
  • 在留資格変更許可申請書
  • 理由書(採用理由と本人の業務適合性)
  • 雇用契約書
  • 企業の登記簿謄本、決算報告書
  • 本人の在留カード、パスポートのコピー
  • 卒業証明書や職歴証明書など

重要:COE申請とは違い、本人が国内にいるため、在留期限の管理と継続的な就労資格の証明が必要です。

③ よくある書類不備・申請ミス

申請が不許可になる原因の多くは、「書類の不備」「情報の不一致」「業務内容の不適合」にあります。以下に特によくあるミスをまとめます:

  • 職務内容が「事務全般」など曖昧な記述
  • 卒業証明書が提出されていない、もしくは翻訳が未添付
  • 会社案内が古く、事業内容が最新と異なる
  • 報酬が地域水準より明らかに低い

これらのミスを防ぐには、入管の審査基準を熟知した専門家のチェックが有効です。特に初めての企業は、CK株式会社のような専門紹介会社との連携が有効です。

④ CK株式会社によるサポートの強み

CK株式会社では、外国人材の紹介のみならず、ビザ申請書類の準備・内容チェックも可能な体制を整えています(ただし申請代行は行っていません)。正確な職務定義に沿った人材の紹介が可能で、書類の不備によるリスクを最小限に抑えます。

  • 技人国に該当する職種の把握力
  • 申請書類の整合性チェック
  • 紹介後のトラブルリスクの軽減

CK株式会社公式サイト:https://www.ck-universal.com/外国人紹介

外国人採用の実務と注意点(人事必読)

外国人を採用し、技人国ビザを取得した後も、企業には継続的な責任と対応義務があります。このセクションでは、採用後の実務フロー、法的義務、人事・総務が注意すべき管理事項を解説します。外国人社員が安定的に勤務を続けるためには、雇用管理と就労環境の整備が不可欠です。

① 雇用開始後の手続き

外国人が入国・在留カードを取得した後、企業が速やかに行うべき手続きは以下のとおりです:

  • 住民登録の確認と住民票の取得
  • 社会保険(健康保険・厚生年金)の加入手続き
  • 雇用保険の資格取得届
  • 税務署への給与支払開始届出

これらの手続きはすべて、他の日本人社員と同様に義務付けられており、「外国人だから特別扱いする」という考えは誤りです。

② 就労内容と在留資格の一致確認

就労開始後も、実際の業務が「技人国ビザの範囲内」であるかを定期的に確認しましょう。在留資格と職務内容が一致していない場合、最悪の場合、不法就労となり、企業・本人ともに罰則を受ける可能性があります。

たとえば、「通訳・翻訳業務」でビザを取得した者に、接客業務や倉庫作業を命じることは法的にNGです。

注意:実務が当初の申請職務から逸脱する場合は、変更申請や弁護士への相談を行いましょう。

③ 在留資格の更新・満了管理

在留資格には期限があり、通常は「1年」「3年」「5年」のいずれかが付与されます。更新は満了の3ヶ月前から可能ですが、企業が期限を把握していないと、本人の就労資格が失効するリスクがあります。

  • 社員の在留カードのコピーを保管し、有効期限を管理
  • 更新手続きのリマインド体制を社内で構築
  • 更新に必要な書類(契約更新、給与証明など)の事前準備

更新申請では、在留期間中の勤務状況・収入・職務内容が審査されます。特に報酬水準が下がっている場合は、慎重な対応が必要です。

④ 離職・退職時の報告義務

外国人社員が退職・離職した場合、企業には入管への報告義務があります。これは「中長期在留者の雇用状況の届出制度」によるもので、怠ると罰則対象となることもあります。

  • 離職後14日以内に「中長期在留者の雇用終了届」を出入国在留管理庁へ提出
  • 雇用保険資格喪失届の手続き
  • 本人に対して退職後の在留資格の扱いを周知(60日以内に再就職等)

外国人本人が再就職できないまま在留期限を超えると不法滞在となる可能性があり、企業側の配慮とガイドが重要になります。

⑤ 外国人特有の労務・メンタルサポート

文化・言語・宗教の違いから、外国人社員は日本人とは異なる悩みや課題を抱えることがあります。企業としては以下のような支援が効果的です:

  • 日本語研修やビジネスマナー研修の実施
  • 相談窓口の設置(人事部・多言語対応可能な担当者)
  • 宗教的配慮(礼拝室の提供、食事制限への理解)

トラブルや離職の予防だけでなく、定着率の向上にもつながります。外国人の声に耳を傾ける姿勢が、組織の信頼と成長を支える要素です。

⑥ CK株式会社の役割と紹介後の連携

CK株式会社では、「採用して終わり」ではなく、紹介後の就労確認やアドバイスも行っています。外国人採用に慣れていない企業でも、安心して長期雇用が実現できるようサポートします。

  • 外国人社員の在留資格情報の共有
  • 職場定着支援・フィードバック
  • ビザ更新時の情報整理アドバイス

公式サイト:https://www.ck-universal.com/外国人紹介

外国人の正社員雇用は、制度と実務の両面で綿密な対応が求められます。法令遵守と社内体制の整備により、企業と外国人社員の双方にとって最適な雇用関係を築きましょう。

PAGE TOP